ベーシストアルバム Vo.2

ベース

第二回 ウィリアム・ヘンリー・マーカス・ミラー・ジュニア William Henry Marcus Miller Jr.
1959年6月14日
アメリカ ニューヨーク


目次

多くのベース奏者のお手本となった

世界のスラップベーシストの1人。ジャズの一時代を築き上げたといっても決して過言ではなく、聴くものを魅了し続けている。1977年製のフェンダージャズベースがトレードマークのマーカスミラー。右手をネック寄りにして演奏する独自のスタイル。フィンガーピッキングなどを駆使し豊かな表現力と深みを生み出す。彼の演奏方法は多彩で、それだけでも何冊も本が書けるほど。スラップ演奏のテクニックは後のベーシストに大きな影響を与えた。


マーカスミラーという人物

世界最高峰のベーシストとしても名高い彼ですが、作曲などのプロデューサーとしても数々のアーティストを手掛けている。
近年のアルバムには様々な音楽ジャンルの楽曲を取り入れ、見事に融合させた音楽を多数カバー曲として収録している。
ギターやピアノ。ドラムなんかも相当な腕前とのこと。周囲のミュージシャンからは“jack of all trades”(なんでも屋)と呼ばれている。特に、高校時代から触れているクラリネットを得意とし、バスクラリネットによるリードとソロは一つのトレードマークになっている。また、ボーカリストとしても秀逸である。




ピックアップフェンス

彼の話をするときによく出てくるのが、ピックアップフェンスだ。今でこそピックアップはプラスチックなどで保護されているが、昔は保護がされていなかったのでそれをかばう目的として取り付けられていたものだが、マーカスミラーはそのピックアップフェンスをスラップの際に、右手の親指の付け根あたりに叩きつけるために取り付けている。これにより右手の力加減が安定し、親指の過度なアタックを抑える働きがある。ここ近年で、ピックアップフェンスが再燃されているのも彼の影響といってもよいでしょう。


スラップ奏法

マーカスミラーの魅力は一言では語りつく尽くすことはできませんが、スラップサウンドは異次元ともいえるほどです。ギラッ・パキッ・っといった高音域に輪郭があり、低音域でもしっかりと芯のあるスラップサウンド。その秘密は、彼の楽器を鳴らしつくすことに常人離れした技術があることに他ならないでしょう。
いわゆる高音と低音を際立たせるドンシャリ。ベースソロや単体でなら目立つのでとてもかっこいいサウンドですが、これをバンドサウンドに合わせると他の楽器で埋もれやすいんです。しかしマーカスミラーはそこも右手のコントローるで多彩にカバーしています。



機材

マーカス・ミラーの愛機である1977年製のフェンサー・ジャズベースは、当時ニューヨークでビルダーとしての頭角を現していたリペアマンのロジャー・サドウスキーによって、アクティブ回路搭載に生まれ変わりました。その時にマーカスはロジャーに「どんなことをしてもいいから、最高のベースにしてくれ」と頼んだそうです。それに答えたロジャー。のちにマーカスはロジャーのことを「自身のプレイや音楽に対して、興味と理解を深めようとしてくれた初めてのリペアマンだ」と称賛した。

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